ゲリラ豪雨から身を守る
近年、都市近郊のごく限られた場所で、バケツをひっくり返したような集中的豪雨が多発しています。
この現象は【ゲリラ豪雨】と呼ばれています。
ゲリラ豪雨とは
【ゲリラ guerrilla:無許可で少人数かつ短時間で行なうこと】
■集中的な豪雨が狭い範囲(広くて10km四方)で起こる。
■突発的・短時間(長くて1時間)で発生するため、予測が難しい。
※ゲリラ豪雨という気象用語は存在せず、これはマスコミなどが用いる俗語です。
気象用語としては「局地的大雨」という言葉が用いられますが、どちらも「短時間で、局地的に、大雨を」もたらす現象を指しています。
過去にはゲリラ豪雨への対策が遅れ、大きな被害を各地にもたらすことから新しい都市型災害の一つとされている程です。
ゲリラ豪雨はどうして起こるのか
要因として挙げられるのは、温暖化現象・ヒートアイランド現象が考えられます。
【温暖化現象】
温暖化とは、人間の活動が活発になるにつれて「温室効果ガス」が大気中に大量に放出され、地球全体の平均気温が急激に上がり始めている現象のことをいいます。大気中に微量に含まれる二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロンなどが、温室効果ガスといわれています。
地球規模で気温が上昇すると、海水の膨張や氷河などの融解により海面が上昇したり、気候メカニズムの変化により異常気象が頻発するおそれがあり、自然生態系や生活環境、農業などへの影響が懸念されています。
【ヒートアイランド現象】
都市部の気温が周辺地域よりも高くなる現象のこと。都市では、アスファルトやビルからの反射熱や冷房・車の排気熱などの影響により、夏になると気温が突出して上がる傾向があります。
防止するには省エネの推進や、壁面緑化など新技術の利用が有効といわれています。
ゲリラ豪雨の前兆
・巨大な積乱雲(入道雲)の発生が見える。
・突然空が暗くなる。
・雷の音が聞こえたり、光が見えたりする。
・ヒヤッとする冷たい風が吹き出してくる。
・大粒の雨やひょうが降り出してくる。
ゲリラ豪雨をもたらす積乱雲(入道雲)は、大雨以外にも落雷、ひょう、竜巻を併発させることがあります。
ゲリラ豪雨の兆候を感じたら、即座に危険回避の行動に移ることが重要です。
○○にいた場合どうすればよいか?ゲリラ豪雨発生時の対策
【街中】
短時間に猛烈な雨が降ると、都市の排水機能が追いつかずに局地的な浸水を生じさせることがあります。
地下街や地下鉄、また地下駐車場などにいた場合は、すぐに地上へ上がりましょう。
また大雨で道路のマンホールや側溝のふたが外れることがありますので、足下が浸水して見えない状態になっていたら、水が引くまで道路上を歩くことは避けてください。
また車の運転も控えるようにしましょう。
【公園などひらけた場所】
ゲリラ豪雨は多くの場合雷を伴い、時にはひょうを降らせることもあります。
雷から身を守るには避雷針のある建物に避難することが有効ですが、建物がない場合は周囲よりも身を低くすることが重要です。
また自動車は、雷の直撃を受けてもボディーを電流が流れるため中は安全という特徴がありますし、ひょうから身を守ることもできます。
周囲に避雷針のある建物がない場合は、ゲリラ豪雨が通り過ぎるまで車の中でやり過ごしましょう。
【河原や渓流】
ゲリラ豪雨によって、川の水位は短時間で急激な上昇を見せます。
自分がいる場所が晴れていても、川の上流でゲリラ豪雨が発生した場合は急激に水位が上昇するため、増水の警報が発令された場合は速やかに避難行動を取ってください。
直前まで穏やかであった川が、わずか10分間で濁流に変わることもあるため、警報が無くとも前述の兆候を感じたらすぐに川から離れてください。
特に河川の中州などにいた場合、その場に取り残される恐れがありますので、迅速な行動が必要です。
普段から自然災害時の対策を家族や地域の方などで話し合っておくと、いざという時冷静に対応できるのではないでしょうか。
突然の豪雨に見舞われた場合は、とにかく身の安全を守ることを第一に考えて迅速な行動をしてください○